第51回〜60回

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第91回〜100回

第51回

 ヒロオカクリニックの運動療法室にトレーニングマシンが増えた。今まではエアロバイク2台にウエイトトレーニングマシンが2台、他にベンチとダンベル、チューブ等を駆使してトレーニングを行ってきた。
 4月1日からは、これらにさらにウエイトトレーニングマシンが3台加わった。運動療法室はちょっとしたジムの様で、ますます可能性が広がった。多少狭くなった事は否めないが、先生も大学病院にも無いマシンがあるとご満悦。僕たち指導者にとっては、会員さんの指導に可能性が広がって、大満足。運動療法希望の方、大歓迎!

第52回  この前、『いつ見ても波乱万丈』と言う番組に出たら、電話やらメールやらでたくさんの反響を頂いた。その中でも皆さんの印象に残ったのは、僕が出会ったおじいさんの話しだった様だ。そこで、番組を見なかった皆さんにも、この場でお伝えしておこうと思う。

 それは、来日して3年目、27才の事。事故やケガや病気を繰り返し、1年の間に何度も手術と入院を繰り返し、精神的に参って、経済的にも苦しくなった僕は、もう柔道もできないと挫折感で落ち込み、自殺を考えていた。

 そんな中、暗い気持ちで銭湯へ(住んでいた四畳半のアパートは風呂無し)行った。体中に手術やケガの後が生々しく、それを隠しながら脱衣所にいると、80才くらいの松葉づえのおじいさんが入ってきた。番台の人が「手伝いましょうか?」と聞くと「大丈夫、大丈夫」と断って、松葉づえを置いて服を脱ぐと、床を腕の力だけで這いずって風呂場に入って行った。周りの人に明るく挨拶をしながら、動かない下半身など全く気にならない様子で、一人で入浴を済ませた。

 それを見たとき、僕は背中をどやされた様な感覚で、「いったいオレは何をしているんだ!」と自分が情けなくて、まさしく目が覚めた。おじいさんはもう亡くなってしまっただろうけど、強くたくましい心と生命力を持った小さくてハンディのある体の老人は、今でも僕を叱咤激励し、前に進ませる大きな力となっている

第53回

 日本中ワールドカップの話題で持ち切りだ。日本チーム初選の時は町から人通りが無くなり、テレビの無い飲食店は閑古鳥が鳴いたとか。僕はワールドカップ関係者が多く滞在するホテルで、朝晩フィットネスセンターの指導を行っているので、無関係ではなく、恩恵を受けているほうかもしれない(ひたすら眠いけど)。
 但し、この時期いつもにまして困る事がある。「チャックさんはどのチームを応援するんですか?」「どの選手が好きですか?」等々のサッカーに関する質問だ。野球はまだ毎年の事だし、少しは分かるけど、サッカーは全くオンチ。競技は分かるし、サッカーの為のトレーニングについては多いに興味があるけど、属に言うサポーターには程遠い。
 日頃、「日本語がしゃべれるか?寿司は食べられるか?ハシは使えるか?」の質問に食傷気味の僕に、この時期外国からのお客さん達は「日本はどうだ?」と投げ掛けてくる上、そこかしこで誰かれ構わずサッカーについての質問。お願い!もう聞かないで(非国民?)。
第54回  番組の撮影で湘南へ行ってきた。1日で僕のおでこは真っ赤だったけど、いろういろ盛りだくさんで結構面白かった。

 日頃体力には自信のある僕も、海岸で挑戦した地引網ではすっかり面目つぶれだった。海へ投げた網を海岸で皆で引くものだが、水を吸った網と潮の流れで、その重さは想像以上のものだった。僕の力をしても、思うように引く事が出来ない。

 ところが、80才位のおじいさん達が足を踏ん張って、楽々と網を引いていたのだ。いくらプロとは言え、頭が下がる思いだった。聞いてみると、『毎日仕事があるからその仕事をやるだけ』だそうで、引退とか隠居なんて考えていない様だった。何だか古来からの人間の自然な姿を見たようで、うれしくもあり刺激にもなった出会いだった。

 この日、出発前の希望していたパラセイリングは体重制限があって、やらせてもらえなかった。トライしてみたけど、いくら走っても全く浮かない。それ以上続けると海に飛び込むしかなく、しぶしぶあきらめた。パラセイルよもう少しおじいさんを見習え!と思った。

第55回

 先日、僕がすごくお世話になった方が亡くなった。参列したお通夜は立派なもので、彼の事業での成功と交流の幅広さを物語っていた。本当に惜しまれる人というのは早く逝ってしまうものだ。

 お焼香の順番を待つ列の近くを、既にお焼香が済んだ方が次々とお清めの席へと向かっていた。知人を探しながら見ていると、出てくる、出てくる70〜80代の男性達。またそのおじいさん達が、揃って穏やかで人の良さそうな柔和な顔立ちをしている。思い浮かぶのは、つい先日観たスターウォーズの『ヨーダ』。まさにヨーダの隊列といった感じで、悲しみも癒される光景だった。

 それもこれも亡くなった方の人柄を表すものだと納得した。翌日の告別式は急な病気で、這ってでもと思うもののままならず出席できなかった。これは僕の人相が悪すぎるせいで、故人の来てくれるなと言う意志ではないかと一抹の疑念が浮かんだ。

 
それにしてもスターウォーズ・エピソード2のヨーダの戦いっぷりは見事だった。
第56回  日本人の平均寿命が延びたというおめでたいニュースがあった一方、老人性痴呆症のアルツハイマー病が増加しており、世界では2025年までには4500万人に達するそうだ。決定的な治療法がなく、食事と頭の体操などによる予防しかないのが現状だとか。統計によると我々が110才まで生きると全員がアルツハイマーになるというから、このまま平均寿命が延び続けると将来は想像したくないものがある。

 
アメリカではレーガン元大統領や俳優のチャールトン・ヘストンもアルツハイマーであると告白して、病気と闘う意志を表明している。自覚の無い人も多いらしいが、日本でも公共電波で怪しげな発言をしている代議士さんも少なくない。

 
以前ドラッグの広告で『人間やめますか?』みたいなのがあったけれど、『元気で早死にしますか?アルツで長生きしますか?』みたいなキャッチが出来そうだ。選ぶまでもなく、出来ることなら元気でそこそこ長生きしたいものだよね。だって長生きしていれば、特効薬も夢じゃない…? 

第57回

 8月に弘岡先生の中国視察に同行させて頂いた。中国の医療事情は先月の医療情報に詳しく書かれているが、僕はやはり『食の国』という事を実感した。当然、毎食中華料理なのだが、メニューは様々で豪華絢爛。中でもすごかったのが四川料理だった。

 ある晩、夕食のテーブルの上に何故か赤い山が出てきた。よく見るとそれは唐辛子の山で、何事かと思えばその中に埋まっている肉を探しだして食べる料理だったのだ。これが辛いもの好きの僕でも手強かった。辛いとかの問題ではなく、口の中がマヒする。歯医者さんで麻酔注射をされた様な感覚なのだ。

 中でも一番美味しかったのが『北京ダック』。今までみんなが美味しいと言っても、大した事ないと、特別好きな料理では無かったが、さすが本場!もう脱帽だね。それに加えて、一皿ごとに料理人が分かる様になっていて、料理に苦情があれば、作った人に直接言えるのも、それなりのプライドなのだと思った。量もすごくて、いつもの倍の運動が必要だった。それでも帰ってきたときは、二人とも一回り大きくなった様だった。

 しかし、中国では『日本語をしゃべる白人が箸を使える』事がかなり珍しかった様で、赤ちゃんが初めて立ち上がった様に褒めてもらえた。
第58回  ノーベル賞受賞の小柴さんが「答えが見つからないと○○の法則などと言って法則を作ってしまうのだ」とおっしゃっていた。言われて見れば確かにそうだ。我々ははっきりとした理論が無いと、そこに何か不思議な力が働き掛けられている様に錯覚する。さらにもっと説明がつかないと、霊やら謎の○○となってしまう。

 
ところで日頃、僕もあるパターンで摩訶不思議な体験をしている。僕がレストランや電車の中にいると、隣の席や近くに立っている人が急に「僕フィットネスクラブへ行ってるんだ…」という話しを始める。これが百発百中とは行かないまでも、10人中8人はある。特に面白いのが、カップルの男性がこの話しを始めるときだ。相手の女性に、自分がいかにもすごい内容のトレーニングをやっている様に話すのだ。

 
こういう事は実際僕だけでなく、マラソン選手やテニスプレーヤーの方も体験している事かもしれない。その人のイメージから、話題を連想するのだから、僕を見て、フィットネスクラブやトレーニングをイメージしてくれれば、僕も少しは社会に貢献できていると言えるかもしれない。ところが最近僕を見てフリスクを食べたくなる人もいる様だ。この貢献度は発売元に評価してもらいたいものだね。

第59回

 クリニックの運動療法室がリニューアルした。3階から4階へ移って、スペースも今までの倍以上に広がって、素晴らしい施設になった。引っ越しは機器のメーカーさんに頼んで、院長先生、レントゲンの先生や看護婦さん、薬屋さんの応援も得て、完了した。

 
新しい運動療法室は、院長先生ご自慢の最新のリカンベントバイク3台がで〜んと構えて、部屋の広さからも同時に5〜6名は運動が出来るところだ。そうは言ってもパーソナルトレーニングなので、殆どの会員さんはゆったりとぜいたくな気分でトレーニングが出来るのだ。それに都心に構えるクリニックの中に、これだけの運動療法室が有るのは、ちょっとした見物だし、指導者にとってはよだれが出そうな所だ

 そんな訳で、最近では指導が無くてもこの運動療法室に居座っている事が多くなってしまった。そう言えば子供の頃、家の地下室に自分で集めたり、溶接した器械を揃えてむちゃくちゃなトレーニングをしていた時、夜遅く迄トレーニングをして、そのままベンチの上で眠って、目が覚めるとすぐにトレーニングをしていた事があった。その内、この運動療法室に泊まり込んでしまうかもしれない…。
第60回  暗い社会情勢に反して元気のいいのがスポーツ選手だ。ゴジラ上陸と騒がれる松井選手。既に大活躍のイチローやマラソンのQちゃん、それに続く若手のホープ達。スポーツ以外でもノーベル賞の小柴さん、田中さん、指揮者の小沢征爾さんらも多くの人の憧れの的だ。

 これらの人々に共通するのは言い訳や保身をせずに、トライして結果を出してくれるところだ。その強さと潔さと勢いが皆の指示を受ける所以であり、現在の日本のリーダー達に欠けている点だろう。癒し系がもてはやされているそうだが、今のヒーローやヒロイン達は強さでみんなを癒している様だ。NHKの「プロジェクトX」が注目されるのも、苦難を乗り越える姿に感動し、自分達にも出来るんじゃないか?こんなに頑張れる人が日本にもいるんだと言う安心感を得られるからだろう。一昔前、力道山や大砲、現役時代の王・長嶋コンビにみんなが熱狂したのも、自力で勝負するヒーローの姿がまだ豊とは言えない時代に大きな希望と夢を与えてくれたのだろう。

 強さと潔さと癒しといえば、日本古来の武道の精神に通じるものだと思う。僕も1月8日から柔道の寒稽古だ!

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