全100回のIndexはこちら→

 第45回 「花粉症対策検討委員会」

 今月は、私ことドクタージュンコ(当クリニックではヒロオカが二人いる為私はこう呼ばれる事が多い)が担当いたします。先日、東京都花粉症対策検討委員会に委員として出席しました。米国同時多発テロ二日後の9月13日、都庁42階、どんよりと曇った午後、雲間から突然飛行機が現れはしないかと一瞬本気で心配しつつ席につきました。

 10人の委員の顔ぶれは、気象から次の花粉シーズンの花粉飛散量・飛散開始日を予測する日本気象協会のM先生、花粉の飛散の時期・量を顕微鏡で長年観測し続けておられるまさに花粉博士という風貌の薬学部S教授、スギ林の雄花を実際に観測し花粉生産量を推定する森林総合研究所のY先生、医師4人のうちアレルギー科の私以外3人は耳鼻科の先生で、舌下にスギ花粉液を置くユニークな方法の減感作療法を臨床研究されているO教授等です。会議はまず、昨年の予測がほぼ的中したという報告から始まりました。

花粉飛散量の予測
 前年夏の気象条件に最も影響を受けます。気温が高い程、降水量が少ない程
飛散量は多くなります。言い換えれば最高気温が高く、日射量が多い夏、猛暑でカンカン照りの夏の翌年は花粉が大量に飛ぶと予想されます。特に、7月中旬から8月上旬の気象が重要です。スギの雄花の成熟に最も関係する時期と言われているからです。今夏の気象条件からの分析によると、2002年も花粉は平年より多いと予測されます。しかし、過去の調査結果の検討では大量飛散の翌年は少量飛散となる事が多く、スギ雄花の着花数調査の結果も参考とされます。大量飛散の翌年は樹勢が衰える為ではないかと考えられています。

飛散開始の予測
 今年の飛散開始日は2月15日から21日でした。1月における予測が2月16日から21日でしたから、こちらもほぼ的中した訳です。飛散開始日は1月の気温に左右され、暖かい程早まります。花粉飛散量のピークは開始日の2〜3週間後で、3月上旬から患者さんが急増します。

 増え続けるスギ花粉症に対し、花粉を百分の一に抑えるスギの品種を植える試みが始まり、ディーゼル車の排ガス、地球温暖化との関連が研究されています。しかし、少なくとも今後数十年はさらに増え続けると予想されています。花粉症で毎年悩まされているあなた!予測飛散開始日より少し早く受診してください。花粉症についての情報は、東京都のテレホンサービスやインターネットをご利用ください。早めに受診し、副作用の少ない、有効な抗アレルギー薬を服用する事をお勧めします。また唯一の根治療法である減感作療法についてもご相談ください。 

前号  次号