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 第40回 「メンタルヘルス〜心の健康」

 はじめまして。今月は、院長に代わり私(相棒兼古女房・アレルギー科、小児科の医師)が担当させて頂きます。先週の日曜日、我が家の超狭い庭で草むしりをしていた時、突然「そうだ、グリンフィンガーズを観に行こう!」と思い立ち、亭主がクリニックで仕事をしているのを幸い、即日比谷の映画館へ走りました。

 映画はまさに始まったところ。囚人達が、刑務所の中でガーデニングを覚え、やがて英国の伝統ある有名な庭園コンテストに出品。素朴で美しい花々のみごとな作品は、女王陛下も賞賛されたという実話に基づいた物語りだそうです。脚本がいまいちと感じましたが、末期の癌患者で終身刑の老優は素晴らしく、私共のガーデニングの先生だったご近所のBさん(彼は一ケ月前亡くなりました)の飄々として暖かい風貌と重なりました。
 私の数少ない(?)楽しみの一つは、庭いじりです。どんなに忙しい時でも、気がつくと何時間も草木や花々と過ごしてしまいます。

 さて、『今月はメンタルヘルス〜心の健康』についてお話し致します。
 まず、健康な心とは何でしょう?難しい問いですが、米国精神医学会の定義を見つけ、なるほどと思いました。

 1 心から楽しめるものを持っている
 2 考え方が柔軟であり、心にゆとりがある
 3 他人を認めることができる
 4 現実的な目標を持っている
 5 生産的な社会活動に積極的に参加できる

 あなたの場合はいかがですか?あなたの心は健康でしょうか?私自身は?
 1は自信あり。ガーデニングの他に、酒の肴というのもあるし…。3、5も大丈夫そうですが、2、4はあやしいかも知れません。霊長類研究所でサルの研究をしたいという様なのは、やや非現実的ですから(さしあたっては、亭主の習性の観察と研究ぐらいにしておきます)。

 最近、心の健康を損なう人々が急増し、大きな社会問題となっています。特に、気分が落ち込む「うつ状態」になる人々が増えています。製薬市場の決算によると、昨年我が国における抗うつ薬の売上高は、数年前と比べ2倍の300億円に達しています。うつ状態は、だるさ、頭痛、動悸、めまい、胃痛、便秘などの身体の症状を伴う為、本人も周りの人々も心の病気と気づかずに、見過ごされていることが少なくありません。うつ状態で最も警戒すべきは、自殺が起こりうるということです。我が国での年間3万数千人の自殺者のうち、6〜7割がうつ状態にあったと言われています。

 ストレスを溜め込んでいるあなた、うつ状態に陥っていないでしょうか?うつ状態の話は次回の予定です。

<ヒロオカクリニック 副院長 弘岡順子先生

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