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 第44回 「再発性尿路結石」
 今年の夏は昨年のインディ・ヒロオカ、内モンゴル草原の旅に続き、中米コスタリカジャングル探検となりました。手塚治虫の漫画、火の鳥のモデルと言われたケツアールを求めての旅でしたが、残念ながら季節が悪く、その美しい姿を拝む事は出来ませんでした。イグアナの刺し身が食べられるかもしれないというので、わざわざ上等のワサビと醤油を持参したのですが、何と今年の3月で食用禁止との事で、仕方なくげっぷが出るほどアボガドをワサビ醤油で食う羽目になりました。

 短い旅行の上、突然の雷雨で飛行機の着陸が遅れたり、エンジン故障で5時間近くも飛行場で待機させられたり、山奥で追い越し禁止をパトカーに捕まり、危うく車を没収されそうになったりと、ヒヤヒヤする場面もありましたが、多くの珍しい鳥や植物、色々な猿や大トカゲやイグアナ等の爬虫類を目の当たりにする事が出来ました。また、手の平でタランチュラを遊ばせたり、ジャングルのつり橋で欄干と間違え危うく緑色の大きな蛇を掴みそうになったり、ジュラシックパークの舞台となった密林を堪能しました。おまけにミスコスタリカにも会う事が出来、インディ・ヒロオカの美女と冒険シリーズ!来年は一人で行こうかな?

 さて、今月の医療情報は読者からのご質問にお答えし、再発性の尿路結石について述べます。
 我が国の尿路結石の再発率は2年以内で35%、3年以内で52%と高く、一度流れ出たからと言って安心してはいけません。石の成分により再発の予防、治療が異なりますので、最初に出た石を医療機関に持参し、分析してもらっておくと良いでしょう。

 石の種類にはリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸マグネシウムアンモニウム等のレントゲンに写る石と尿酸結石、シスチン結石、キサンチン結石の様に写りにくい石があります。また、出た石を熱湯に浸け融解したら尿酸結石が疑われます。最も頻度の高いカルシウム含有結石は尿の流れが腎臓、尿管、膀胱の出口で停滞したり、感染症が加わったり、副甲状腺等のホルモンの異常が再発の原因になっている事があります。

 また骨粗鬆症治療の活性型ビタミンDの長期投与、緑内障の治療薬ダイアモックス、ステロイドの服用で尿路結石を見る事があります。尿路結石は血中の尿酸値が高い場合に生じますが、高尿酸血症の治療薬の内、尿酸の排泄を促すユリノームと言う薬では、尿の尿酸が増えて結石が出来る事があります。この場合は、尿酸の合成を阻害するザイロリックと言う薬が選択されます。

 再発予防の日常の注意事項としては運動、水分摂取、食餌療法を継続する事が肝要です。水分は水道水、番茶、ほうじ茶、市販のアルカリ飲料水等を一日2リットル以上摂取。運動は縄跳び等の跳躍運動や階段昇降等の上下運動が効果的とされています。

 食餌療法は結石の種類により異なります。食品からのカルシウム摂取は通常の牛乳や乳製品では問題なく、特に制限する必要はありません。むしろシュウ酸の過剰摂取を注意する必要があり、ほうれん草、タケノコ、チョコレート、ココア、紅茶が注意食品です。また、砂糖、塩分の過剰摂取も尿へのカルシウムの排泄を増やすので要注意です。

 尿酸結石の場合には、プリン体の多く含まれる食品を避けなければなりません。尿路結石の予防に利尿作用のあるビールを飲んで縄跳びを実行している人がいますが、ビールにはプリン体が多く含まれているので、尿酸の高い人はダメです。いずれにしても、食事中は十分に水分を摂取する事を心がける必要があります。また、夜間就寝中は汗等の不感蒸泄による水分の喪失が多く、結石形成促進物質の濃縮が起こり、結石が生じやすい環境にあると言われています。この為、夕食から就寝までの時間に余裕を持たせ、前立腺肥大症による夜間頻尿が無ければ、就寝時にも適度な水分を補給する事が必要です。

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