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 第57回 「じんましん」

 今回は院長に代わり、DR. Junko こと私がじんましんについてお話いたします。新宿のビル街にある当クリニックは十年目となり、我々やスタッフは、色々な患者さん、様々な病気と出会って参りました。その中でアレルギー疾患は年々増えており、花粉症の季節は当クリニックが最も混みあう時期となっております。また最近、季節に関係なく増えていると感じるのがじんましん、それも一ヶ月以上、長い方は七〜八年も続いていると受診される慢性じんましんの患者さんが目立ちます。
 
じんましんの特徴
 かゆみと共に突然、皮膚に地図状や円形の赤いふくらみ(膨疹・ぼうしん)が現れます。多くの場合数時間後(長くても24時間以内)にはあとかたも無く消え、また別のところに現れます。出没するというのが特徴で、特にあとかたも無く消えるというところが、重要です。虫刺されの場合、一日くらいは必ず何か後が残りますし、湿疹・皮膚炎もあとかたも無く消え出没という経過はとりません。

じんましんの出るメカニズム
 皮膚の細い血管の周りにある肥満細胞が何らかの原因で刺激され、細胞の中からヒスタミンなどが放出されます。主にヒスタミンの作用により皮膚の細い血管の透過性が亢進し、血液の成分が血管外へ漏れ出てきて皮膚に部分的、一時的なむくみが出来ます。ヒスタミンは神経にも作用しかゆみが生じます。じんましんが赤いのは、血管が膨れるためです。

じんましんの原因
 肥満細胞からヒスタミンを放出させる刺激、物質がすべて原因になりえます。肥満細胞がアレルギーと関係が深いため、じんましんの原因は即アレルギーと考えられがちですが、アレルギーとは関係のないメカニズムによる場合の方が多く、原因が分からないことも少なくありません。食物・薬・温熱・寒冷・機械的刺激・日光・発汗・運動・細菌感染・ハウスダストやスギ花粉・精神的ストレスなどが、原因としてあげられます。原因を突き止めるには、患者さん自身の観察が最も大切です。あなたはどういう時にじんましんが出やすいですか?

運動によるじんましん
 運動によるじんましんには幾つかのタイプがあり、運動をやめるだけで消える軽症のもの、全身のアレルギー反応を伴う重症なものがあります。後者の代表が食物依存性運動誘発性アナフィラキシーで、ある食物を食べた後運動をするとじんましんと共にアナフィラキシー(重い全身のアレルギー反応、頻脈・血圧低下・息苦しさ・意識消失・呼吸停止など、死の危険あり)になるものです。
【37歳・男性】
 朝食後、犬と走っていると体中がかゆくなり、ぜぇーぜぇーし息苦しく、体に力が入らなくなり道端に倒れた。病院に運ばれる救急車の中で意識を失った。気がついた時、体中にじんましんがあり、顔はお岩さんの様に脹れ上がっていた。入院、検査の結果、小麦のアレルギーによることが判明した。

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 当クリニックのじんましんの患者さんでは、原因と思われる最も多いものは心身の疲れ、特に精神的ストレスです。また、ストレスが続いた後、ホッとした時にも出やすいようです。会社から帰宅しコートを脱いだ途端に出る、と言う患者さんもしばしばです。“じんましんが出るくらい嫌いなやつ”もいるかもしれませんが、まあ〜そんなに真剣に嫌うなんて、ばからしいカモ…。なんせ、体が大事ですヨ〜!!

<ヒロオカクリニック 副院長 弘岡順子先生>

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