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 第58回 「骨の健康」

 高齢者や最近では若い女性でも骨粗鬆症が問題となっています。カルシウムの摂取が薦められていますが、摂取したカルシウムを体が吸収できるかどうかが問題です。カルシウムの摂取量が少ない生活や、運動不足で骨に刺激の少ない生活を続けて、骨密度が減ってしまった場合、その少ない骨に必要なカルシウムだけを体は吸収します。

 数年前までは、一度減ってしまった骨密度は回復する事が出来ず、それ以上減らさない事が大切だと言われていました。しかし、最近のある研究で、50才〜73才の30人の女性を対象に、週に2回1時間の運動(ウォーキング、軽いジョギング、ウエイトトレーニング、ボールエクササイズ等)と食事を中心とした生活調整を行ったグループと、全く運動や生活調整をしないもう一つのグループを作りました。8ヶ月後に両方のグループ全員の脊髄の骨密度を測定した所、運動と生活調整をしたグループでは骨密度が3.5%増え、何もしないグループでは2.7%減という結果でした。この研究によっても、運動と生活調整で高齢になっても骨密度が増やせるという事が分かりました。

 運動によって関節に刺激を与える事で、骨が発達する必要性が生じ、カルシウムを吸収して骨密度を高めた訳です。この『関節に刺激』の程度が重要で、『体重を支える程度』と言われています。どういう事かというと、ウォーキングやジョギング等の有酸素運動、マシンや器具を使ったウエイトトレーニング等が体重を支える程度の運動と言えますが、ストレッチや水泳、ヨガではこの効果は期待できません(他の運動効果はあります)。

 運動によって骨のカルシウム必要量を高める事で、カルシウムの吸収率が高まります。同時に生活調整を行う必要があり、以下は骨粗鬆症を予防するチェックポイントです。

 ■週に2回以上1時間程度体重を支えて行う運動を実行する
 ■タバコはカルシウムの吸収を妨げるので止める
 ■アルコールは骨の発育を妨げるので控える
 ■乳製品、小魚、青菜等の高カルシウム製品を摂る
 ■脂肪分を控え、バランスのとれた食生活をする

 週に2回以上、1時間程度の運動とありますが、1日20分程度、週3〜4回の運動でも同じ効果が得られます。

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