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 第59回 「最重要筋肉」
 宮様のご逝去、マラソン中の急死がニュースや新聞紙面を騒がせました。いつもながら、僕は悲しみよりも怒りを感じてしまいます。

 スポーツ好きだったとか、普段から体を鍛えていたのだから、健康な筈なのにと考えるのが普通かもしれませんが、あえて言いたいのが、「スポーツと健康は別のもの」だと言うことです。スポーツ、特に競技スポーツはなおさら、健康とはほど遠く、体をいたわるよりも、過酷な状態であっても勝利や記録が出せるかどうかが勝負なのです。以前、アメリカの有名なマラソン選手が、35才で亡くなりました。死後、解剖したところ、血管の中はとても健康とは言えず、詰まっていて老人のようでした。このマラソン選手は、体力はあったものの、栄養管理を全く無視していたそうです。

 時々「人間の体の中で一番強い筋肉はどれですか?」と言う質問を受けますが、僕の答えは「心臓」です。脳死でも心臓が動いていれば肉体は生きていますが、その逆はありません。一生休むことなく働き続けるのが心臓なのです。

 このコーナーでも、何度となく健康診断の必要性を説明してきました。ハードなスポーツや競い合うスポーツを行う人、健康の為の運動であっても40才を越えた方は、ぜひ運動負荷心電図を受ける事をお勧めします。普通の心電図は安静状態で測る為、活動中に問題が起こるかどうかを発見できない事があります。自転車等を漕ぎながら、運動による負荷が心電図に及ぼす影響を見る検査ですが、痛みや苦痛もなく、たいして時間もかかりません。

 今月の医療情報やバックナンバーの
第42回『BNP検査』や、第50回『動脈硬化』にも弘岡先生が詳しく解説してくださっているので、よく読んでください。

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