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 第62回 「少しだけ…」
 2000年アメリカ政府が『ヘルシーピープル2010年』と言うキャンペーンを始めました。これは寿命や生活習慣病患者の数値から、アメリカ人の健康状態が、G7諸国に比べて良くないと判断された為です。そこで10年かけてアメリカ人を健康にしようというキャンペーンを掲げました。

 
キャンペーンには運動だけでなく、健康に関わるあらゆる分野の専門家達が集められました。IOMと言うアメリカの医師会が運動に関する概念を出し、ACSMと言うアメリカスポーツ医学会や眼科や歯科の分野からも検討されました。

 発足から3年が経ちましたが、特に体力面では成果は殆ど出ていないそうです。理由は、どうやら『基準があまりにも現実的では無い』という事の様です。その基準というのは、毎日有酸素運動を30分、加えて筋力トレーニングとストレッチングも行うと言うものでした。研究に基づいたデータを理想として目標を高く掲げすぎた為に、人々が始めからあきらめてしまったようです。

 専門家の立場から見れば、それぞれの言い分があって理想を掲げれば、その計画は壮大なものになった訳ですが、結局は始めないと始まらないという事です。内容は正しいけれど、理想だけでは難しいのです。理想通りではなくても、座っている人が立ち上がればそれだけでも変化はあります。立ち上がったら、歩き出す。歩き出したら外へ行く。外へ行ったら長く歩く。歩いたら走り出す。自然に変化していって、これが習慣となればいいのです。

 少しだけでもいいのですから、1分でも3分でも5分でも歩きましょう。慣れればそれが習慣になります。この習慣こそが肥満を予防する、病気を予防する、老化を減速させる事に繋がります。始めの一歩から、少しだけでいいのですから始めてみましょう

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