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 第66回 「悪い減量」
 何回かこのコーナーで正しい減量法について紹介してきました。今回は僕が実践した、悪い減量の実例をお話しします。

 
スポーツ選手の減量というと、一番印象深いのがボクサーの減量ではないでしょうか?真夏にストーブを焚いた部屋で毛布にくるまって、体中の水分を搾り出して、それを丹下の親父さんが「がんばれジョー!」なんて言ってるような…。それはともかく、僕も柔道の大会に出る為に7kgの減量に挑戦しました。

 
運動、食事の消費カロリーと摂取カロリーを計算して進めたのに、思うように体重は落ちませんでした。大会の10日前にはまだ4.5kgオーバーで、カロリーに計算すると35,000カロリー減らさないとならない計算です。1日に5,000カロリーを運動で減らすのは不可能で、食事をこれ以上減らすと代謝が落ちてしまい、ますます減量が難しい状態でした。それでも、期限が迫っているので、極端に食事を減らし、さらに運動を増やし、最後には水分を摂ることも減らして、検量の前日に目標の99kgに落ちました。

 
さて、今回の減量で、摂取と消費カロリーを計算し、基礎代謝を落とさない為に運動も続けたのに、何故落ちなかったのか?という疑問の答えは、一つ見落としていた要因があったことです。これは運動以外の起きている間の行動消費カロリーです。一般的に、基礎代謝の半分の量が行動消費カロリーとして加算されますが、減らした食事と増やした運動量によって、疲労が激しく、日常生活の行動力が極端に減ってしまった事です。消費カロリーが計算と違ってしまった事に加え、様々な微細な計算のズレによって生じた結果でした。

 
減量最終期には、顔色は悪く、体力が落ち、疲労感、虚脱感に襲われ、やる気もなく、集中力もなくなり、会員さんにまで心配される始末です。指導者として全くお恥ずかしい状態でした。しかし、これで減量するときは1ヶ月に1〜2kg減らすのが理想とされるのが、様々な意味を持つ事を実感しました。皆さんは自ら試すことなく、僕の悪例を持って、ご理解ください。

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