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 第97回 「健康に文化あり」
 「食に文化あり」と言う言葉をよく耳にします。僕は「健康も文化なり」とさらに「病も文化なり」ではないかと最近思っています。日本人の食が欧米化したのは戦後間もなくでした。乳製品や肉を多く食べるようになり、みんな体が丈夫で大きくなってきましたが、その延長で肥満の問題が出てきました。

 東京は世界中で、一番おいしいレストランがたくさんある街として知られています。多くの各国料理店があり、本場の味を楽しめる店も多々あります。こういった食文化が日本中に広がり、今や日本人ほどグルメな国民もいないのではないかと思います。そして美味しいものを食べる事が習慣となり、経済力も合わさって、日常の食習慣が豊かになりました。車社会とIT化で人間はますます動かなくなり、とうとう体を動かす事にお金と時間を費やさなければならなくなりました。

 食文化の変容に伴って、食生活が変わり、社会の変容に伴って生活習慣が変わり、それらが文化として定着した事で健康状態が変わり、先進国的な病気が増える結果となりました。もちろん文化の変容と医学の進歩によって減った病気もありますし、救える病気も増えました。

 しかし、現代では自分で予防できる病気や、検査で早期に発見できる機会もたくさんあります。この点は文化の発展の良い面です。「食に文化あり」は悪い意味ではありませんが、「健康と病に文化あり」と聞くと、あまり良いイメージは沸かないのでは無いでしょうか?

 最近は格安なアメリカ産牛肉が手に入りません。中国やインド、ロシアで消費が増えた事でチーズも値上がりしているそうです。食文化はもとより、健康文化、病文化を好転させる良い機会かも知れません。

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