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 第5回 「水」

 今年は4月頃から暑い日が多くて、はやばやと梅雨に入ってしまいました。そこでテーマは「水」で、湿度と汗と水分の補給の関係についてです。

 私達が汗をかくというのは、体温が上がり過ぎないように身体を冷やすための大切な身体のメカニズムです。身体から出た汗が蒸発するときに身体の熱を奪って行くことで身体を冷やします。発汗は気温が高いときや活動中、体温が上がり過ぎて、身体がオーバーヒートして心臓に負担がかかったたりしない為の安全装置です。

 ところが梅雨時など、湿度が高いと汗が出てもなかなか身体から蒸発してくれない為、体温が下がりません。それでも汗はどんどん出ますから、身体はオーバーヒートすると同時に脱水症状を起こしてしまいます。ですから、スポーツや身体を動かすときは、汗の量に関わらず、のどが乾いていなくても水分は少しずつ補給します。特に年配の方は、この発汗のメカニズムが衰えて来て、体温が上がっているのに余り汗が出ないこともありますので、十分に注意してください。運動中はお腹が重くならない程度、目安としては15分毎に50〜100CC位の水を補給することをお勧めします。

 夏場に「水分を取ると汗が出るからあまり飲まない」という人がいますが、これは大きな間違いです。余分に取った水分は汗ではなく別の方法で身体は排泄処理します。運動中でなくても、暑い時期に水分の補給をがまんすれば、やはり脱水症状を起こしてしまいます。

 いまだに汗をかけば痩せると思っている人がいるようですが、水分と脂肪分はちがいます。サウナやサウナスーツで汗をかいても、脂肪は落とせません。身体から大量の水分とミネラル分が失われ、身体はオーバーヒートで脱水症状を起こし、疲労し、運動能力も低下し、長く続けられません。一時的に身体から減った水分は後で補給すれば体重は元通りです。百害あって一利なしということです。

 また、水分補給は大切だといっても、甘い嗜好飲料を飲んだのでは、オーバーカロリーになるばかりです。基本は普通の「水」です。でも長い有酸素運動の途中や運動の後には血糖値が下がるので、少し糖分を含んだスポーツドリンクを利用するのも良いと思います。

 いくら身体のメカニズムだといっても高温多湿の梅雨の時期、一日中じっとりと汗をかくのは気持の良いものじゃありません。そんなときはエアコンの効いた室内にこもらずに、一日に一回思い切り運動をしてたっぷり汗をかいてはいかがですか?その後お風呂やシャワーでさっぱりして、そんなときはビール一杯位も目をつぶりましょう。

 今回「水」については<スポーツ科学教室 第5回>で、もう少し詳しく説明しますのでそちらも是非ご覧ください。

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