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 第34回 「2000年アイアンマン世界選手権大会」
 第23回アイアンマン世界選手権大会が10月14日(土)ハワイ島のカイルアコナビーチで開催されました。世界からプロアマを含め1,515名が出場しました(登録者総数1,599名)。今年は9月のシドニーで、トライアスロン競技がオリンピック種目に正式種目として採用され、大変に盛り上がった後のアイアンマン大会となり、女子ではアメリカ代表としてシドニーに出場し4位に入賞したジョアンナ・ツァイカー選手が中1ケ月でどのくらいの成績を出して来るのかも注目されるレースとなりました。

 今年は日本人選手も宮塚、谷、田村、藤原、松田選手らが出場し、久しぶりに日本のトップ選手が一同に顔を揃えた大会となりました。恒例の木曜日に開催されたカーボローディングパーティにはシドニーオリンピックで優勝したカナダのサイモン・ウィットフィールド選手もステージで紹介され、大会に花を添えました。

 昨年はコナとしては珍しく雨がよく降りましたが(大会中は快晴)、今年は大会前から雨が降る事もなく本来のコナらしい天候でした。レース当日の海も非常に泳ぎやすいコンディションで、トップが48分台で上がりバイクに移りました。コナのバイクコース180kでは、風は無風と言う事は有りえなく、風が強かったか弱かったの違いでしかありません。

 今年のコナウインは35k位から突然強い横風が吹き出し、バイクを斜めに傾けて走らないと風で飛ばされそうでした。風に飛ばされ転倒落車し肋骨を骨折してリタイアした選手も出ました。折り返し地点から下りに入っても風が強くDHポジションをとって下ってくると突風でバイクごと持っていかれそうになりとても恐かったという声が多かったです。

 優勝したピーター・リード選手のスピーチでもこんなタフなレースになるとは思わなかったと言っておりました。プロの選手が言うのですからエージグループの選手にとりましては強烈なコナウィンの洗礼を受け、やはりコナの大会は半端では無いという事を肌で感じた事と思います。

 男子はピーター・リード選手が98年に続いて2回目のウィナーとなりましたが、昨年優勝したルックバン・リルデ選手は不参加でした。2位に入ったティム・ディブーム選手は一昨年位から力を付けて来ました。ディブーム兄弟は3人出場し兄が20位、妹が12位と兄弟で健闘しています。

 3位に入ったノーマン・スタドラー選手もまだ若いので今後伸びてくるでしょう。昨年失格したローター・リーダー選手も4位に入り、出場して来ればベスト5位の位置を必ずキープしてきます。5位のトーマス・ヘリゲル選手も入賞圏内に入ってきます。

 今回のレースの入賞者で注目されるのは7位に入ったピーター・クロプコ選手と10位に入ったケン・グラン選手でしょう。クロプコ選手は日本では特に有名で、アイアンマンびわ湖大会では96、97年と2連覇、宮古島でも99、2000年と連勝しており、現在37歳と非常に息の長い選手です。また、ケン・グラン選手も36歳でびわ湖大会にも出場していますし、ニュージーランド大会でも連勝、ブラジル大会は3連勝、ハワイ大会は連続17回、まだまだ入賞する力を持っています。この2人の活躍には拍手を送りたいです。

 女子の優勝のナターシャ・バッドマン選手は、昨年は出場しませんでしたが、96年2位、98年優勝、特に彼女はバイクのスペシャリストでバイクパートではブッチ切りのトップタイムを出しました。ランのスプリットは悪かったのですがバイクでのアドバンテージで昨年優勝したロリー・ボーデン選手に約3分差を付けて優勝しています。また3位に入ったフェルナンダ・ケラー選手は昨年も3位に入賞しています。37歳と年齢もトップテンの中では最年長ですが、非常に息が長く実力所保持している選手です。

 女子で今回一番注目されたのは、シドニーで4位に入ったジョアンナ・ツァイガー選手でしょう。シドニーから中1ケ月で堂々の5位入賞を果たしました。

 今回の優勝賞金は$70,000と高くなり、その上スポンサーの『いすず』から車が1台協賛され約$100,000以上の収入となりました。アメリカが現在好景気に有る事が少なからず賞金に影響しているのでは無いでしょうか?

 日本選手は、最後のランで頑張った田村選手が14位、宮塚選手が16位、谷選手が17位に入り、田村選手と谷選手との時間差は4分以内でした。また田村選手は15位以内に入ったので、来年の出場権を確保し一安心という所でしょう。

 エージグループを見ますと、日本人は男女各1人しか表彰台に上がれず、例年に比べ入賞者が少なくて残念でした。その中でも特に光ったのが45歳から49歳のエージで優勝した坂本徳満選手で、9時間38分10秒で総合でも100位以内に入る成績でした。バイクショップのオーナーとして忙しい身で、中々練習時間も取れず、今回の為に4週間しか練習時間が取れなかったとの事でしたが、来年の出場権も早々に獲得し、ぜひ連続優勝を期待したいものです。

 アイアンマンハワイが終われば次の日から来年のレースの話になります。アジア地区では1月28日のマレーシア大会(アイアンマンスロット30人)、6月10日チェジュ大会(スロット70人)、7月22日長崎県福江(暫定)と予選大会が開催されますが、21世紀最初のハワイには何人の日本人選手が出場できるのかも楽しみです。

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