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 第62回 「アイアンマン・ランカゥイ、NZ大会」

 2003年のアイアンマン第1戦が、2月23日にマレーシアのランカゥイ島で開催されました。この大会は2000年に第1回大会が開催され、エリートの部で日本人として初めて松田薫選手が優勝しました。当時はアイアンマンの予選大会でありながら、出場選手の数が100名を切っており、日本人も20名しか出場していませんでしたが、回を重ねる毎に人気が出て、第2回大会以降は日本人の出場者も100名前後のエントリーがあります。また、第1回大会ではハワイのスロットが15名しかありませんでしたが、第2回大会以降スロットが30名となり、日本人出場者がハワイの出場権を毎回半分以上獲得しているので年々人気になりました。

 
今年の大会にはエリートの部で、男女合わせて30名以上がエントリーして来ましたが、中でも目玉はハワイで96年優勝、98年2位、99年はレークプラシッド大会で優勝し、10月のハワイでも優勝したベルギーのルック・バン・リルデ選手に注目が集まりました。ここ2、3年はハワイにも出場していませんでした。また、南アフリカ大会やチェジュ大会で優勝しているチェコのピーター・バルボルスキー選手、日本からは田村選手、今枝選手、女子ではシドニーオリンピック代表の関根選手、昨年2位だった千葉選手らもエリート登録をして来ました。

 結果は男子では下馬評通りルック・バン・リルデ選手が、あの暑さと湿度の中を2位の選手に20分の差をつけ8時間31分で優勝しました。2位にもベルギーのマリーノ・バン・ホネッカ選手が入り、3位に田村選手、4位にピーター・バルボルスキー選手、5位に今枝選手が入りました。田村選手が US$3,200、今枝選手が US$1,900 の賞金を獲得しました。

 
女子ではカナダのジリアン・ベーカー選手が10時間01分で優勝、2位には韓国の大会で2連覇しているベリンダ・グレンガー選手、3位にはスサーナ・ピーター選手が入り、4位に関根選手、5位には昨年2位だった千葉選手が入りました。関根選手が US$2,400、千葉選手が US$1,900 と、日本のエリート選手は男女2名が賞金を獲得し、旅費とお土産代ぐらい稼げたでしょう。

 エージグループを見ますと、97名出場し完走が79名でリタイアが18名もあり、ランカゥイ島は毎回暑さと湿度の高いレースですが、特に今年は日中の気温が35度を越し、湿度も90%以上あったそうで、真冬の日本からでは中々体が気温と湿度に対応する事が大変です。この時期にアイアンマンディスタンスに対するトレーニングをする事は厳しい物がありますが、その中でもハワイの出場権を獲得された選手は、日本での厳しい条件の中でもかなりの練習を積み、且つ暑さにも強い人といえます。今回ハワイの出場権を獲得した選手は、男女合わせて10数名おりました。

 第19回アイアンマン・ニュージーランド大会が、3月1日にタウポで開催されました。つい先日まで開催されていたヨットのアメリカンズCUPのオークランド湾からタウポの湖を中心としたレース会場に移って5年目となります。今年はエントリーが1,090名ありましたが、スタートは996名で、その内日本人は昨年より少ない54名が出場しました。85年に第1回大会が始まり、98年オークランドで最後の大会が開催された時は600名前後の出場でしたが、99年にタウポに移り出場者が増加し、昨年ついに1,000名を越え、世界中から選手が集まる様になりました。

 今年は男子では、昨年まで2連覇している地元のキャメロン・ブラウン選手が3連覇を達成できるのか?初出場のスティーブ・ラーセン選手、オリバー・ベルンハルド選手、ガレッタ・マックファーデン選手らがキャメロンの3連覇を阻止するのか?女子も昨年初優勝した地元のカレン・バランス選手が2連覇できるのか?ジョアンナ・ロー選手やリサ・ベントリー選手がカレン選手の2連覇を阻止するのかが注目されました。

 
また、今回エージグループでも注目選手が出場して来ました。85年の第1回NZ大会の優勝者で、その年の6月に開催された第1回びわ湖大会ではディーブ・スコット選手の2位に入り、88年にはハワイで優勝、その後NZに移り、87、90年にハワイで女子優勝のエリン・ベーカー選手と結婚したスコット・モリーナ選手や、日本のデュアスロン大会で優勝賞品のBMWを持って帰り、その後引退して医師となったマット・ブリック選手。女子では82年のハワイ大会でゴール直前に脱水で倒れ、這ってゴールした場面がアメリカのABC・TVで全米に放映された事によりトライアスロンと言う競技がアメリカを中心として広まったと言われるジュリー・モス選手は、その後ハワイで6回優勝したマーク・アレン選手と結婚し引退しました。彼らが久々にエージグループの選手としてエントリーしました。

 昨年の大会は雨の中でのレースでしたが、今年も天候は良くなく、『曇りのち晴れ時々小雨』という天候が続き、その上風もあり肌寒さを感じ、オークランド湾のアメリカンズCUPもスイスのアレンギ艇が3勝し、王手のかかる第4戦は強風の為に中止されました。まもなくサマータイムも終わり、秋から冬へという季節なので天候も安定しません。南島のクライスチャーチの山々では雪が見られます。

 
レース当日は夜半より雨が降りだし、朝方の3時頃には幸いにして止みましたが、快晴でのレースは望めそうもありませんでした。曇っていた方がトライアスロンとしてのコンディションはいいのですが、結局1日中曇りのち晴れ時々小雨と言う中でのレースとなりました。

 スイムはフランスのクリストファー選手が45分54秒のタイムでトップで上がり、注目のキャメロン選手は49分25秒の11番手でバイクをスタートしました。バイク途中で後から上がったバイクスペシャリストのスティーブ・ラーセン選手が追い抜き、バイクフィニッシュでは2位以下に10分の差をつけランをスタートしました。ランで絶対的な自信を持っているキャメロン選手が、ランスプリット2時間47分で走り3年連続でランパートで逆転をし、あっさりと3連覇を達成してしまいました。スティーブ・ラーセン選手はバイクを圧倒的な強さで2位以下に10分のアドバンテージを付けながら、いかんせんランタイムが3時間21分もかかってしまい、総合で6位まで順位を下げてしまいました。

 
女子はスイムをアンドレア・フィッシャー選手が49分30秒でトップで上がり、2位がジョアンナ・ロー選手で注目のカレン・バランス選手が57分と出遅れました。バイクに入り2位で上がったジョアンナ選手がアンドレア選手をすぐにパスし、バイクフィニッシュでは2位以下に11分の差をつけ、ランをスタートしました。2連覇を目指したカレン・バランス選手は3分差まで詰めましたが、結局ジョアンナ・ロー選手に逃げ切られ2連覇達成は出来ませんでした。

 注目のエージグループの40才〜44才の部では、マット・ブリック選手が8時間59分の好タイムで優勝、同じエージのスコット・モリーナ選手は9時間56分で4位に入りました。女子のジュリー・モス選手は40才〜44才の部で11時間11分で走り3位に入賞しました。往年の名選手の活躍もさすがでした。

 日本人エージグループの活躍も目覚ましいものがありました。男子では70、65、60、30才代と優勝、女子も25才代優勝しその他3位までの表彰者が男女合わせて8名もありました。またハワイの出場権獲得者もロールダウンを含め10名を越しました。

 今回の大会ではキャメロン選手の3連覇達成といい、往年の名選手の活躍を含め非常に見ごたえのある第19回大会でした。

【第19回アイアンマン・NZ大会リザルト】

1 (8時間22分05秒)キャメロン・ブラウン
2 (8時間30分02秒)オリバー・ベルンハルト
3 (8時間42分15秒)ヤン・ローエン
4 (8時間44分31秒)クラス・ボーリング
5 (8時間45分16秒)クリス・レート

1 (9時間17分56秒)ジョアンナ・ロー
2 (9時間20分32秒)カレン・バランス
3 (9時間21分46秒)リサ・ベントリー
4 (9時間40分51秒)レニー・オールソン
5 (9時間43分37秒)リサベス・クリステンセン

【日本人エージグループ優勝】

30才〜34才 浜野 隆弘 ・ 25才〜29才 鈴木ナミコ
60才〜64才 滝 豊水 ・ 65才〜69才 辻井 カズハル
70才〜 園山タカヤス

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