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 第67回 「アイアンマン・ドイツ」
 7月13日に第2回アイアンマン・ドイツ大会が、フランクフルトで開催されました。今年のエントリーは、やはり開催国ドイツが圧倒的に多く、1,116名で、その他の国で100名を越す出場者は無く、日本人選手は男子が9名、女子が4名の合計13名の出場でした。

 
今年のエントリー総数は1,839名でしたが、スタートラインに立ったのは1,687名でした。昨年の第1回大会は、男子では地元のローター・リーダー選手が8時間21分31秒で優勝、2位にはやはり地元で人気のあるベテランのユーゲン・ザック選手、3位にはウイ・ウイドマン選手で、ベスト3はドイツ勢でした。優勝したローター・リーダー選手は一ヶ月前に開催されたチャレンジ・ロート大会も優勝しています。

 女子はカタヤ・シュモック選手が9時間15分32秒のタイムで優勝し、2位にはエナ・フィッシャー選手、3位にはリッ・ピタイ選手で同じくドイツ勢でした。

 
今年のエリートクラスの出場選手は、ハワイでベスト10に入っている選手が多く出場してきて、さしずめ10月のハワイ大会前哨戦と言えるような顔ぶれの選手が揃いました。その中でも、筆頭はピーター・リード選手でしょう。ハワイでは98、00年と優勝し、昨年はティム・ディブーブ選手の2位でした。ハワイで97年優勝、昨年は3位だったトーマス・ヘリゲル選手、ステファン・ホルツナー選手、強豪ドイツ勢の中でもベテランで人気があり、昨年の大会ではローター・リーダー選手の2位だったユーゲン・ザック選手、ノーマン・スタドラー選手、また今年の宮古島大会で優勝し、昨年のハワイでは7位だったマルクス・フォスター選手、今年の3月、ニュージーランドの地元大会で三連覇したキャメロン・ブラウン選手等、見ごたえある顔が揃いました。

 昨年の第1回大会を制したローター・リーダー選手は、一週間前に開催されました第2回のチャレンジ・ロート大会で二連覇しましたが、中一週間では無理なので出場して来ませんでした。

 
女子エリートでは、昨年のハワイではナターシャ・バッドマン選手の2位に入ったニナ・クラフト選手が、昨年はチャレンジ・ロート大会で優勝しています。また、ハワイ大会に初出場した96年から昨年まで全てトップ10に入賞し、99年には優勝したロリー・ボーデン選手、昨年の第1回大会で優勝したカタヤ・シュモッカー選手、ベリンダ・ハロラン選手らが出場してきました。

 アイアンマン・ドイツ大会は01年までロートで開催されていましたが、ロートのオーガナイザーがアイアンマンの冠を返上し、独自の大会を開催する事になった為に、アイアンマンのドイツ予選大会をフランクフルトに場所を移し、今年第2回目の大会となりました。アイアンマン・フランクフルト大会とチャレンジ・ロート大会ともに観客動員数が多く、ドイツでのトライアスロンの人気も相当なものです。スイム会場やバイクが通過する町々での応援の盛り上がり方は、同時期に開催されているツール・ド・フランスにも引けを取らないくらいの応援のヒート振りです。特に中世の町並みが残る所で、道路が石畳で且つ登りになっている所では、応援の人並みで走路が見えなくなる位で、揚げ句の果てには尻を押すやら背中を押すやらで、TVで目にするツール・ド・フランスの山岳コースで背中や尻を押す光景と全く同じ風景です。

 
今年のヨーロッパの天候は気温が高くなる地域が多く、30度近くまで上がる事が多いですが、日本と違い湿度が低いので、日本の真夏の様な蒸し蒸しした感じはありません。レース中も普通に水分の補給をしていれば、脱水症状に陥る事もありません。

 フランクフルト大会の特徴は、レース前の登録や記念品ショップ、レース関連用品等の場所が市内から6kmくらい離れており、またスタート前日のバイクチェックやバイク、ラン用品の預託会場が登録会場とは反対方向で市内から15kmくらい離れており、両方とも徒歩では行けなく不便ですが、大会主催者側で無料のシャトルバスを運行しているので、これを利用すれば何とかなります。初めて参加する日本人選手にとりましては、いささか移動に苦労する場合があるようです。

 
スイムコースは変則三角形コースを二周回、バイクは90kmを二周回、ランは市内の中心を流れるライン川支流のマイン河護岸の手前側と対岸側の遊歩道を三周回して旧市庁舎前がゴールです。ゴール前の応援スタンド席は3〜4階建ての高さくらいあり、圧倒的な声援です。

 さて、レースの方は、スイムをトップで上がったのは地元のヤン・シルベッセン選手が44分29秒のタイムで上がり、その後を優勝候補の選手らが48〜49分代で上がりました。バイクに移りステファン・ホルツナー選手が抜け出し、後続のピーター・リード選手やトーマス・へリゲル選手、ユーゲン・ザック選手、キャメロン・ブラウン選手、ノーマン・スタドラー選手らを振り切り、バイクを4時間25分で上がり、そのままランに移りました。ランに入り気温が30度近くに上がりましたが、暑さなど物ともせず、ランパートを2時間54分でクリアし、独走で8時間12分29秒で優勝しました。ラン得意のキャメロン選手が追い込んだのですが、2位までで、3位はランスプリットトップ2時間48秒で走ったユーゲン・ザック選手でした。

 女子の方はスイムを49分29秒で上がり、そのままバイクを5時間03秒で独走、ランもトップタイムの3時間07分でクリア、9時間03分11秒の圧倒的な強さで地元のニナ・クラフト選手が優勝しました。2位には19分差を付けられたロリー・ボーデン選手、3位はティナ・ワルター選手、男女ともにゲルマン魂を見せつけられた感がありした。

 日本人選手は13名の出場でしたが、男子9名、女子1名の10名が完走しました。その中にあってエージグループ30〜34才で、国内でも常に上位に顔を出す平田文哉選手が9時間18分39秒で、堂々の総合26位に入りました。ちなみに30〜34才の優勝者は総合で11位という成績で、上には上があるものだとつくづく思った次第です。もちろん平田選手は日本人でただ一人のハワイ出場権獲得者となりました。

 
ゴール前の花道での応援のフィーバー振りは、ハワイの比ではありません。この雰囲気を来年は、今年以上の日本人選手が味わっても損の無い、価値のある大会です。人口65万人で、ヨーロッパ経済の中心都市の市街地で開催されている大会も他では見当たりません。是非お勧めの大会です。

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