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 第77回 「アイアンマン予選大会」 
 5月のアイアンマンレースはスペイン、JAPAN、ブラジルの3戦が開催されました。今年のアイアンマンJAPANには、約900名のエントリーがありましたが、日本を含めアジア地区で開催されているアイアンマン大会の出場者数は、欧米に比べて約半分ぐらいしかありません。

 アスリートの底辺が欧米に比べ少ない事もありますが、アジア以外からのエントリーの少なさもあるようです。レース開催場所の立地条件や移動の手段等が、少なからず影響しているのではないでしょうか。アメリカやヨーロッパは、国が広くても道路や交通網等が発達しているので参加しやすい事もありますが、何よりもアスリートの人口が違います。エントリーもアジア地区の大会では、開催日の1ヶ月前ぐらいまで受け付けていますが、アメリカ、カナダ、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド等では、開催日の半年前には定員枠が埋まってしまいますし、特にアメリカ等は1ヶ月ぐらいでエントリーが締め切られる所もあるようです。

 さて今回のアイアンマンJAPANでは、注目していた選手が3人おりました。1人はピーター・クロプコ選手で、彼は日本のアスリートにも特に馴染みの選手ですが、古くは96年の第12回アイアンマンびわ湖大会初出場で優勝し、その年のハワイでは7位の成績でした。翌年の97年で、びわ湖大会は最後となりましたが(台風の為スイム中止)2連覇を達成、00年には宮古島大会に初参加で優勝、その後昨年マルクス・フォスター選手に負けるまで3連覇しました。

 ハワイも00年7位、01年11位、02年も11位とコンスタントな成績を残しています。又その他の予選大会でも98年オーストラリアは3位。スイスでは99年と01年に優勝しており、30才から10年連続で活躍していますが、ついに昨年は40才になり、ハワイは卒業と言う事で出場しませんでした。今年41才になって、まだどのくらいの力を持っているのかと注目していたところ、結果はあっさりと優勝を掠って行きました。彼の得意種目であるランでは2時間48分のベストタイムを出し、ピーター・クロプコ選手の老獪さには脱帽しました。是非41才にして、ハワイでトップテンを狙って出場してもらいたいものです。

 2人目は韓国のパク選手です。アジア地区の大会ではまだ々日本人エリート選手が上位で活躍していますが、パク選手は昨年のアイアンマン韓国チェジュ大会で、田村選手を破り3位に入りました。今年のマレーシアでは小原選手に次いで6位、宮古島では9位、そして今回のJAPAでは5位と着実に実力を付けて来ております。まだ32才と若いので、今後欧米のレースで経験を積めばかなりの選手になると思いますし、日本人エリート選手もアジアでは敵なし等と言っていられなくなる日もそう遠くないかもしれません。

 3人目はニュージーランド在住の堀洋子選手です。一昨年は母親の不幸で練習が出来ず成績が上がりませんでしたが、昨年のオーストラリア大会4位、ドイツ・ロート大会(高額賞金レース)では8位、ハワイでは20位、今年のNZ大会は7位と上位の成績を納めましたので、今回のJAPAでは01年の奥田選手以来優勝を狙えるのではと思っていましたが、期待通りの成績を上げました。今年のハワイでは昨年以上の成績を期待しています。

 今回のアイアンマンJAPANには797名が出場し、完走者が656名でしたが何と141名ものリタイアが出ました。コース条件もかなり厳しい上に、制限時間が15時間なので、エージグループの選手にとっては、他のアイアンマン予選大会に比べ非常に厳しいレースです。現在大半の予選大会は制限時間が17時間なので、あと2時間あればこんなにリタイアする選手は出ないと思います。いずれにしてもハワイの出場権50枠の内、日本人が45名出場権を獲得していますので、今後もアジア地区での予選大会には日本人の出場者が大半を占めて行くのでしょう。

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