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 第78回 「アイアンマン予選大会」  
 5月29日にアイアンマン・ブラジル大会が開催されましたが、懐かしい名前が目に留まりました。かつてマーク・アレンとハワイで優勝争いをした事もあった、クリスチャン・ブストス選手です。昨年もブラジル大会では4位に入っておりましたが、今年は一つ順位を落とし5位でした。

 彼がトライアスロンを始めたのが89年で、87年にはランナーとしてフルマラソンで2時間19分と言う記録を残しています。ハワイに初出場したのは、89年で24才でした。その年、優勝がマーク・アレンで、14位に宮塚選手で、ブストス選手は16位に入りました。その後91年までハワイには出場しませんでしたが、91年のカナダで3位に入り、ハワイでは初入賞の9位でした。翌年の92年にはマーク・アレンとランで熾烈なトップ争いを演じ、5分差の2位で遂にトップ3に入って来ました。93年も出場しましたが、この年はリタイアでした。

 94年1月22日に、アルゼンチンでのレース中にバイクで転倒し、後を走っていたTV撮影車に轢かれ、重傷を負い再起不能とまで言われましたが、その後3回の手術を受け、事故から1年後の95年1月にレースに復帰しました。復帰した95年のハワイでは6位という成績でした。

 96年第12回宮古島大会に招待され、初めて日本のレースに出場する事になり日本に来ましたが、東京から宮古に行くのにまだ日があり、時差ボケ解消の為に泳ぎたいとの事で、私達がスイムトレーニングをしていたプールに連れて来られ一緒に泳ぎました。チリ人はアンデス系のインディオの顔付きなので、日本人に良く似た顔付きで、身長も高くなく平均的な日本人より低い位でした。この体格でハワイで2位に入った事があるなら、日本人選手も努力すれば世界でも通用するのではと思ったりもしました。宮古では優勝候補の筆頭に挙げられましたが、残念ながらバイクでリタイアしてしまいました。10月のハワイにも出場しましたが、リタイアしてしまいました。事故の後遺症も時々出る様で、年間を通じて完璧なコンディション作りが難しい様でした。

 97年のハワイではトーマス・ヘリゲル選手が優勝しましたが、ブストス選手は5位に入り、98年のカナダ大会では優勝しました。その後ハワイには出場していませんでしたが、昨年久し振りにエントリーしましたが出場はしませんでした。24才でデビューして、今年で39才になりますが、是非今年のハワイでもう一花咲かせてもらいたいものです。

 又ブラジル大会では、これぞアイアンレディーと言われている、地元のフェルナンド・ケラー選手が優勝していましたが、彼女は今年41才になります。昨年までハワイの連続出場が17回で、その内、入賞が13回、プロアマを通じ入賞率の一番高い選手です。ちなみに男子の最高はケン・グラン選手で、ハワイ連続20回です。フェルナンド選手のハワイでの活躍も見物です。

 さて、今月はオーストリア、ドイツ、スイス、レークプラシッドの4予選大会が開催されます。ドイツ大会は3回目の開催となりますが、第1回はローター・リーダー選手が優勝しました。一昨年までアイアンマン・ドイツ大会として開催されていたロートの大会が、アイアンマンの予選大会を返上し賞金レースとなった為に、ローター選手は昨年ロートの大会で優勝し、今年もアイアンマンには出場して来ません。

 昨年の第2回大会では、ステファン・ホルツナー選手が優勝し、10月のハワイも期待されたのですが、結果はリタイアでした。2位にはキャメロン・ブラウン選手、3位がユーゲン・ザック選手で、4位がピーター・リード選手でした。女子はニナ・クラフト選手が圧倒的な強さで、2位のカタヤ・シュモッカー選手に48分の差を付け優勝しました。今年も男女共に昨年と同じ顔触れが出揃っており、男子は昨年と順位が入れ替わる可能性がありますが、女子はニナ・クラフト選手が大本命でしょう。

 日本人選手は、男女共にエリートクラスの出場はありませんでしたが、平田文哉選手が総合で26位でした。昨年は男女合わせて10数名しか出場しませんでしたが、今年は20名を越えるエントリーがあります。

 ドイツ大会も非常に人気が高く、1800人の定員が年内に達してしまいますし、ロートの大会では2000人以上の出場者があります。又競技レベルが高くエージクラスで入賞する事も非常に難しく、60才代での優勝が10時間40分です。レースにおける観客動員数も世界一とも言われており、人の多さと華やかさは他の大会に比べ群を抜いています。昨年のヨーロッパは異常気温でリタイアする選手が多かったのですが、今年も同じ様な気象条件ですと気温と我慢比べのレースとなります。

 今月は海外での予選大会が一番多く開催されますので、ハワイの出場権を何人位の日本人選手が取れるのか興味がわきます。

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