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 第88回 「オーストラリア、アリゾナ、宮古島大会」 
【アイアンマン・オーストラリア大会】

 4月3日に開催されたオーストラリア大会は、男子はクリス・マコーマック選手が8時間25分のタイムで4連覇達成。女子も同じくリサ・ベントリー選手が9時間13分で4連覇を達成しました。トップ選手においても連覇する事は中々大変な事です。

 3月のNZ大会でもキャメロン・ブラウン選手が5連覇を達成しましたが、マコーマック選手にしても、ブラウン選手にしても、いくら地元の利やコースに精通しているは言え、強豪が揃った中での連覇ですから立派なものです。特に女子では、99、00、01年はロリー・ボーデン選手が3連覇し、02、03、04、05年とリサ・ベントリー選手が4連覇し、カナダ勢で7年連続優勝を果たしています。

 オーストラリア大会はシドニーから約250km位離れたフォスターで開催されていましたが、来年から開催場所をポート・マックアリーに移す事になりました。シドニーからはフォスターよりもさらに遠くなってしまい、約400kmありますし、空港は全くのローカルで飛行機も20〜30人乗りです。バイクの関係から団体での移動は無理で、バスかレンタカーでの移動になってしまい、日本から出場するには非常に不便となってしまいます。

 オーストラリアはトライアスロンの人気が非常に高く、地元の選手がアイアンマンに出場する為には、出場権の付いた予選大会で出場権を獲得しないと出場できません。昨年の11月から、西オーストラリア・アイアンマン大会も開催されるようになり、オーストラリアでは2大会が開催されています。今回の大会でも11月の西オーストラリア大会の出場権が100名分付いていました。オーストラリアはトライアスロン先進国で普及人口が多いので、日本人選手と違い大会出場すらままならないようです。

【アイアンマンUSAアリゾナ大会】

 アリゾナ大会は1,500人以上の参加のあったオーストラリア大会の次週に開催され、約1,800人以上の選手が出場しました。アジアを見ますと、出場選手が1,000人を越す大会はチェジュぐらいで、やはりアメリカやヨーロッパ、オセアニア等のトライアスロン人口は、日本と大分違うという印象を持ちます。

 また、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア等の大会にはトライアスロン先進国の選手がかなり出場していますが、アジアで開催される大会にはトライアスロン先進国の選手の出場が少ない様で、やはり欧米から見ますと、アジアは少し遠く不便なのでしょう。また逆にアメリカやヨーロッパの大会に日本人選手が多数出場する事もなく、これも選手層の薄さと言えるのでは…?今回の大会でも日本人の出場選手は4人しか出場していませんでした。

 結果は男子ではフェリス・サルタン選手が8時間25分で優勝しました。03、04年のハワイでトップテンに入ってきたドイツの若手ですが、今年あたりはハワイで今まで以上の成績が望めるかもしれません。また前にも書きましたが、ちょっと出過ぎの感のあるピーター・バルボルスキー選手が4位に入っていました。約1ヶ月に1レース出場し、殆どトップテンに顔を出して賞金を稼いでいますが、少々無謀と言うかタフと言うか、ハワイでは毎回成績が良くありません。これだけ出場してはハワイに向けての調整は難しいのでしょう。

 シドニー大会でアメリカ代表として出場し4位に入り、その年のハワイでは5位に入り、ショートとロング共に活躍しているジョアンナ・ツアイガー選手は、リタイアでした。昨年カナダではリサ・ベントリー選手の2位に入っていますが、00年以後ハワイでの入賞がありませんが、今年あたりは頑張ってもらいたいですね。

【第21回全日本トライアスロン宮古島大会】

 4月17日に開催され1,295人が出場しました。昨年までは出場希望者が2,000人を越えていましたが、今年の応募者は1,834人と90年代以降最低の人数でした。最高では3,800人もの出場希望者がありました。今年から65才以上の選手が出場できなくなった事も影響したかもしれません。あの憧れの着順順位の入った完走シャツが無くなったと言う噂も影響しているのかどうか分かりませんが、今年は抽選に外れてウェイティングになった人も含め、応募者の大半が出場できた様です。ひところは初出場希望者は3年待たされる等の神話もありました。

 今年のレース前の下馬評では、有力な外国招待選手が来ないという事で、7年ぶりに日本人選手から優勝者が出るのではと言われていました。今年の外国人招待選手男子では、昨年10位のアンドリュー・ヤストレポフ選手、昨年ハワイでは21位、昨年8位のノーバート・フーバー選手はハワイ52位ですから、昨年2連覇したマルクス・フォスター選手が出場しないならば日本人選手が勝てるのではと見ていました。

 女子は昨年初優勝した岡いずみ選手の2連覇がどうかと言われていましたが、昨年から力を付けてきた初出場の今泉奈緒美選手が3月のNZ大会でも5位と好走し、調子を上げているので、招待選手で昨年のハワイで29位だったエディス・ニエデルフリニガー選手より20位に入っている今泉選手の方が上なので勝てると見ていました。

 結果は男子では5回目出場の松丸真幸選手が7時間52分で初優勝し、7年ぶりの日本人優勝でした。女子は予想通りバイクスタート直後からバイク得意の今泉選手が抜け出し、一人旅となり9時間02分の好タイムで初優勝しました。男子では常連の谷選手が不参加でしたので、田村選手と小原選手、韓国のパク選手との優勝争いかなと思いましたが、力を持ちながらメジャー大会では優勝経験の無い(佐度大会では優勝)松丸選手の優勝でした。昨年の西オーストラリア大会では足の故障で最後のランは殆ど歩いての完走でしたので、その後4ヶ月で故障が癒えて最大限の力を発揮しての優勝と言えます。

 今回の大会で特に目に付いた選手は6位に入った藤原祐司選手です。今年で41才になりますが、昨年は優勝した松丸選手より一つ上の14位、03年も松丸選手より一つ上の10位、昨年はランが少し悪かった為にトップテンに入れませんでしたが、殆どトップテンに入っています。また、昨年の11月の西オーストラリア大会ではエージで優勝し、今年は久しぶりにハワイに出場しますのでエージ入賞も期待できるのでは…?また9位に入った濱野隆宏選手も久しぶりの宮古でした。01年から04年まで連続でNZ大会に出場し、4年連続でハワイの出場権を獲得していましたが、今年はNZには出場せず、宮古に出てアイアンマンJAPANでハワイの出場権を狙うそうです。

 今月22日に開催されますJAPANは、ちょっと注目されるレースとなりそうです。毎年USAレークプラシッドでハワイ出場権を獲得していた谷選手が、宮古に出場せずJAPANに初出場、また引退した宮塚選手も出場しますし、殆どのエリート選手がまだハワイの出場権を獲得していないので、激戦となりそうな気配です。招待選手で西オーストラリア優勝のジェイソン・ショーティ選手も出場するそうなので、日本人選手を尻目にあっさりと優勝をさらっていかれるかもしれません。久しぶりにJAPANも楽しみになって来ました。

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