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 第99回 「アイアンマン・ニュージーランド」 
 3月は日本中を感動させたスポーツが目白押しでした。トリノオリンピック荒川選手の金メダルに始まり、パラリンピックでのメダルラッシュ。極め付けはワールド・ベースボウル・クラシックでJAPANが世界一になった事でした。スポーツで選手が頑張っている姿は、どんなスポーツでも見る人に感動を与えます。

 アイアンマンの予選大会もマレーシアに続きニュージーランド大会が開催されました。隣国のオーストラリアもスポーツが盛んな国ですが、NZと言えばオールブラックスを代表するラグビーが有名で、現在ラグビーシーズンに入っており、昨年はNZ・オーストラリア・南アフリカの3ヶ国のプロリーグでスーパー12と言うゲームをやっていましたが、今シーズンから2ティーム増えて、スーパー14リーグとして開催され、TV中継されています。又、オーストラリアでは、サッカーのW杯に初出場が決定し、ラグビー、OGボール、クリケット等が主流の中で、サッカー熱も盛り上がりを見せています。

 W杯ドイツ大会では日本と一次予選を戦う事になっていますが、昨年一時期J2の横浜からレンタルで三浦知良選手を借りていたシドニーFCは、かつて日本で活躍したリトバルスキーが監督をしていて、3月5日に開催されましたオーストラリア選手権大会で優勝しました。日本ティームが入っているW杯の一次予選では、当然1位通過がブラジルと予想されていますが、2位までに入らないと決勝リーグには進めませんので、クロアチアとオーストラリアを破らないと我日本は決勝リーグには進めません。オーストラリアのサッカーをTVで観る限りでは決して侮れません。頑張れ日本!ですね。

 何故かトライアスロンよりもNZとオーストラリアのスポーツ事情になってしまいました。今年のNZアイアンマンのエントリーは1,418名で、日本人は98名、特にインカレ選手が卒業旅行と春休みを兼ねて出場する選手が多いのもNZ大会の特徴です。大会がオークランドからタウポに移って8年目を迎えます。

 南半球にあるNZの3月の気候は、夏が終わり秋に入り始めた季節で、朝晩の冷え込み、風の強さや雨が降ったりと天候が安定しませんが。日中太陽が出ると暑かったりで、レース時の服装も半袖にするのか長袖にするのか選手にとりましては迷うところです。今年は前日より強風が吹き荒れ気温も低く、タウポの湖も白波が立ち水温も冷たく、とても泳ぐことが難しい状態でした。前日の競技説明会でも、気象条件が今日の様な状態では水泳はキャンセルになるかも知れないとの話でした。過去7年間でこのような気象条件になった事は一度も無く、オークランドの時代でも波が高いこともありましたが、水泳がキャンセルになった事は一度もありません。

 レース当日を迎え、夜半より前日以上に風が強く台風並の強風となってしまいました。6時の時点で水泳中止の決定を出すとのことでしたが、なかなか決定が出ず、主催者側も大変苦慮されている様でしたが、その後中止が決定し、レースはバイク90km、ラン21kmのレースとなりました。スタート順は、ナンバーカード一番のディフェンディングチャンピオンで、6連覇がかかっている地元NZ最強選手のキャメロン・ブラウン選手から5秒間隔のスタートとなりました。はるばる日本からやって来た選手にとりましても、NZまで来てバイク、ランでは何の為に来たのか分からないとぼやく選手の声もありましたが、この天候ではやむを得ない決定でした。主催者側としては賢明な判断だと思いますし、もし強行した場合に事故でも起きたら取り返しがつきません。特に日本人選手は、波の高い時のレース経験が無いので、決行していれば、リタイアが続出し、事故の可能性も無いとは言えないでしょう。

 私もかつて水泳キャンセルとなったレースが2回ありました。1度目はアイアンマンJAPANが最後の大会となった97年、2度目は04年の韓国チェジュ大会で、両大会共に台風の影響でした。今回3回目の経験ですが、なかなか3回も遭遇する経験の持ち主もいないのではと思います。水泳の中止により、苦手な人は「しめた」と思ったり、得意な人は残念に思った事でしょう。レースには色々なハプニングがあり、長い人生の中で運不運は付き物です。

 さてレース結果ですが、男子エリートでは6連覇達成に地元ファンが一心の期待をかけたキャメロン選手ですが、距離が変更になった為に彼の得意とするランを生かすことが出来ず、3番手スタートのエストニアのアイナラル・ユハンソン選手に36秒差をつけられ6連覇は成りませんでした。たらればですが、もしアイアンマンの距離でやっていれば勝てたかも知れません。

 日本人男子エリートでは、河原選手がプロカテゴリー10位でロールダウンによりハワイの出場権を獲得。女子エリート選手では地元のジョアンナ.ロー選手も4連覇がかかっていましたが、こちらは危なげなく2位のカレン・バランス選手に4分の差をつけ4連覇を達成しました。地元在住の堀選手は昨年はハワイ出場を逃してしまいましたが、4位に入りハワイの出場権を獲得、今年は初の夫婦でのハワイ出場となります。

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