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 第100回 「アイアンマン情報」
 先月は日本国内におけるショート、ロング共にメジャー大会の第一戦が開催されました。

 4月16日に開催されましたW杯石垣島大会では、大会前に朝刊スポーツ紙に日本トライアスロン連合から一面広告が掲載され、びっくりされた方も多かったのでは?JOCに所属している競技団体で、新聞に一面広告を掲載する団体はなかなかあるものではありません。いくらトライアスロンなる競技がオリンピックの競技種目になっているとは言え、未だマイナー競技から脱却できない事は、残念ですが紛れもない事実と言えます。JTUとしてはキッズやジュニア大会に力を入れ、普及活動で底辺拡大を計っていますが、なかなか順調に推移していないのが現状です。学生や社会人らの会員登録者数も思うように増加せず、逆に減少傾向にあります。

 W杯石垣島大会は、日本人エリート選手達にとっては地元開催という事で、北京に向かって期待がかかっていましたが、成績は男女ともに7位止まりでした。特に女子は、シドニーからアテネでも一人抜けたぐらいで同じ顔触れ、若手の台頭がなく、シドニー以後現在までW杯に出場しているメンバーが北京大会まで続けると表明しているので、10年以上同じ顔触れの選手が頑張っている訳です。今後、若手選手が追従してこなければ、現在のメンバーが引退した後は世界で戦える選手は出て来ないという事になります。強化対策が順調に推移していないようです。女子フィギュアの様に、若手がどんどん出てきて現在の上位人を脅かすようにならないと、競技団体として永続的に良い成績を上げる事は難しいでしょう。強化も競技人口の増加も抜本的な改革が今必要とされています。

 4月23日には、国内ロングの第一戦となる第22回宮古島大会が開催されました。かつて宮古島大会と言えば、初めて出場する事は非常に難しく、最大では約4,000人の応募があった年もありましたが、年々少なくなり、今年は1,500名の枠に国内外を含め1,842人しか応募がありませんでした。昨年から、年齢が65歳以上になった人が出場できなくなった事も影響がなかったとは言い切れません。

 昨年、アイアンマン・チャイナ大会の開催が06年4月と発表され、開催期日が宮古島大会と同日だったので、応募者に影響が出るのではと懸念していましたが、チャイナ大会が中止となり宮古にとりましては追い風になりました。しかし、07年は開催すると言っていますので、宮古島とアイアンマンJAPANには影響が出ると予想されます。

 宮古島大会もかつては世界のトッププロ選手を招待していましたが、予算の関係か招待される選手側の都合か知りませんが、昨年からは初期の時代と同じように日本人選手が優勝しました。今年はスタートした選手が1,346人で、完走者が1,105人、リタイアした選手が何と241名も出てしまい、完走率は82.1%で過去最低でした。原因は例年スイムの一番長い箇所が追い潮になるのですが、今年は向かい潮になってしまった為に、スイムカット者が100名以上出てしまった事が一端の様でした。

 宮古島大会では、過去にスイムで死亡事故が起きているので、スイムに対しては非常に神経質になっていますし、そもそも65歳以上の選手を出場禁止にした理由もその辺にあります。トライアスロン大会で死亡事故が起きますと、大会の存続問題にも発展しかねませんので、主催者側としては特にスイムに関しては神経を使うところです。

 このところ、年々国内の大会では定員割れが出ており、それにより大会開催経費が赤字となったり、ボランティアの協力が難しくなったり、大会開催市町村の税金による協賛金の問題に対する住民の批判の声がある事も事実です。規模の大きな大会ですと、数千万円が地元からの税金で賄われています。10年20年と続いている所も、ボランティアを10数時間拘束する必要がある大会は今後減少する恐れが出てきそうです。現に北海道で唯一のロングの大会であるオロロンも、20年目にして今年をもって中止と決定されました。

 プール等を使ったキッズやジュニアの大会は増加していますが、それぞれの子供たちが大学生、社会人と続けていってもらえるかが問題です。アメリカやヨーロッパなどの様に、トライアスロンの人口が増え続けるという事は日本では非常に難しい問題があるようです。特に最近、日本人の子供のスポーツに対する興味度は、サッカー、次に野球となっていますので、将来的に言ってもトライアスロンはマイナーで終わってしまいそうです。私のように日本のトライアスロンの幕開け時代の85年から始めた者にとりましては、一時期は日の出の勢いでトライアスロンの人口が増加した時代が懐かしいです。

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