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 第50回 「ウエイトトレーニング−特異性」
 トレーニングやスポーツをすると、体はそのやり方なりの発達をします。よく「腕立て伏せをたくさん出来るようになるには、どんなトレーニングをすればいいですか?」と言う質問を受けます。僕は「毎日、腕立て伏せをたくさんやれば、腕立て伏せの回数は増やせる」と答えます。また「バレエダンサーの様な体になるには?」と言う質問には「バレエをやれば!」となります。

 これが『特異性』です。
 トレーニングをするとき、持久力を伸ばしたいのにパワー系のプログラムでトレーニングしていたり、その逆であったりでは、目的には近づきません。極端に言えばお相撲さんがマラソンをしても相撲は強くなれないという事です。トレーニングをするときは目標を決めてプログラミングをしますが、まず目標が自分に必要なものかどうかを見極めなければなりません。

 これら自分の目標と体質、体力等を考え合わせてプログラミングし、トレーニングを行います。3ヶ月間は同じメニューで続けて、その効果を測定し、プログラムの調整を行います。
 時々、他の人がやっている種目を取り入れたり、プログラミングを考慮しない意見に影響されて、次々やり方を変えている人を見かけます。無駄になるだけならいいのですが、逆効果になっているケースも見受けられます。指導者の責任でもありますが、最近ではローテータカフのトレーニングが流行っていて、誰も彼もチューブを使って小さな筋肉を鍛えています。ローテータカフは特に投げるスポーツ(野球・テニス・砲丸投げ、等)には必要ですが、普通の人なら胸と肩のトレーニングで十分必要な筋力は得られます。また、外国のボディビル雑誌を見て、変わったトレーニング法を急にマネしたり、基礎体力が出来ていないのにスーパーアイソレーション的なトレーニングを行う等、無駄で危険な行動を頻繁に見かけます。
 トレーニングは流行りやパフォーマンスではありません。特異性を考慮せずにプログラミングをすることは、不可能に近いのです。

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