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 第83回 「研究と経験と感」
 最近アメリカで発表された研究報告は、『運動前のストレッチやウォーミングアップには怪我を予防する効果はない』と言うものでした。我々は科学的な研究結果に基づいて運動を指導しています。但し、常に研究結果だけを100%受け入れる事はできません。自分の経験とそれに基づく感を無視する事ができないのです。

 僕個人のやり方として、人に勧める前に自分で体験してみます。あらゆるトレーニング方法を試して、失敗も成功も経験してきました。可能なかぎりのスポーツにもトライしてみました。その上で、科学的な研究結果を参考に取り入れてきました。

 マラソンでは準備運動で体内的な酸素の供給量を高め、ストレッチでふくらはぎやアキレス腱を動きやすくします。これらが無意味だとは到底考えにくいのです。ウエイトトレーニングでは特に高重量を扱う場合、始めの1〜2セットを2〜3割の重さで高回数、疲れない程度に行う事で、関節と筋肉を温め怪我を予防できると思います。柔道でも同様で、先日練習に行ったときに時間がなかった為、準備体操を全くせずに強い選手と取り組んだところ、早速内転筋を痛めました。

 研究結果はウソや間違いではない筈ですが、実際の運動の現場ではウォーミングアップ、クールダウンは必ず行うべきだと思います。

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