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 第97回 「ヨガと柔軟性」
 これまで柔軟性についても何度かお話してきました。スタティックストレッチ、バリスティックストレッチ、PNFなどの言葉にも聞き覚えがあると思います。最近はピラテスを含めヨガが各メディアでも取り上げられ、大ブームです。

 ヨガが体に良い事は間違いありませんし、柔軟性を高める為にも大変効果的です。激しい運動ではない事から、中高年の方も参加しやすい事でしょう。ですが、いくつか気をつけなければならない点があります。

 まず、高血圧の方にはあまりお勧めできません。ヨガは呼吸を止めないよう指導されていますが、体の硬い方や慣れない方は、息を止めてしまう事が多いし、体幹(腹部)を折り曲げるポーズは血圧が上がりやすくなります。又、プラウと呼ばれる仰向けに寝た状態から両足を持ち上げ、そのままつま先を頭を越えて床まで持っていくポーズは頚椎にも危険ですし、頭や目の中の血管に圧力がかかり、破れる事もあり得ます。もう一つ正座をした状態から、上半身を仰向けに床に寝かせる大腿前部を伸ばすポーズは、膝の両側の靭帯を伸ばしすぎてしまい、膝の安定を悪くする可能性があります。大腿前部を伸ばすなら、片足ずつ丁寧に行う事をお勧めします。

 トレーニングの後のストレッチにヨガを取り入れる事もあります。ストレッチは、運動の前より後が効果的だと言う説が定着していますが、重い重量でベンチプレスやスクワットを行うときは、肩・腰・膝はストレッチしてほぐしておいた方が安全です。

 メディアによりヨガが健康づくりの万能選手の様に広められていますが、ヨガはあくまでも柔軟性を高める事と、血液循環の助けになる効果です。ヨガでは筋力は増えませんし、心肺機能は高まりません。一般的な健康の基準は心肺機能である肺活量・心臓・血管の強化が6割を占めます。ヨガにはこの心肺機能を向上させる要素は含まれていない事を忘れないでください。

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