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 第2回 「柔軟性」

 今回は「柔軟性」についてです。

 何故「柔軟性」が必要なのでしょうか?

 一般的には、まず痛みや怪我の予防の為に「柔軟性」が必要だと言われています。これは間違いありません。痛みや怪我というのは、スポーツだけでなく、日常生活の中でも起こります。具体的には、肩凝り・腰の痛み・ぎっくり腰・五十肩などの原因として、全てではありませんが柔軟性の不足が指摘されます。例えば柔軟性の低下によって起こる筋肉のバランスの崩れが原因であることもあります。場合によっては関節可動域が狭くなっていたり、限定されていたり、関節の周りの筋肉が硬くて動かせないこともあります。しかし動かす必要性が出れば、筋肉や関節や靭帯を切ったり痛めたりすることになります。

 スポーツ選手でしたらもちろん行動が極端ですから、一般の人よりさらに「柔軟性」が要求されます。その上、硬い筋肉は、疲れやすい筋肉でもあります。だから怪我の予防だけでなく、動作の最大の可能性を引き出すためにも「柔軟性」は重要です。

 では、柔軟性を高めるための「ストレッチング」はいつ行なえばいいか?

 まず、スポーツ選手ではなく、運動も余りしていない方の場合。我々の身体は朝起きた時が一番硬くなっています。そこで朝目が覚めたときすぐに軽いストレッチを行なう人は、無理をしないようにゆっくりと丁寧に行ないます。朝は硬くてつらい人は、お風呂に入った後など身体が温まっているときは、少しは身体が柔らかくなっているので気持ち良くできると思います。

 次は習慣的に運動を行なっている人やスポーツ選手。基本的には運動を始める前。比較的簡単なストレッチを10分間程度行ないます。これは準備体操の一部と考えます。そして、運動の後、これは重要です。始めの倍の時間をかける必要があります。運動している間に軽く痛んだ筋肉や、刺激を受けた関節の回復の為にストレッチングの効果は高いので、運動前より後の方が重要なのです。

 さらにスポーツのレベルによってもまた変わってきます。スポーツの内容がハードになればなるほど、運動の前後を問わず、徹底的に行なうべきです。少なくとも前後共20〜30分くらいかけることが必要でしょう。

 最後にストレッチングの方法に触れておきましょう。

 まず「バリスティックストレッチ」。恐らく皆さん経験があると思います。「バリスティック」というのは力を加えて、身体の反動を使って筋肉を伸ばそうというもの。今でもときどき見かけますが、無効というより逆効果です。体内的な働きとしては無理に筋肉を伸ばそうとすると「伸張反射」という神経が働いて、身体は伸ばすまいと頑張るのでお勧めしません。これは無理な衝撃に対する安全装置でもあるのです。

 次に「スタティックストレチ」。これは反動を使わずにじっくりそれぞれの筋肉や腱を伸ばすことで「伸張反射」を刺激しないで行なう方法です。この神経は15秒の間に危険を感じなければ、もう作用しないので、少なくとも15秒以上じっくり行なうことが必要です。現状の柔軟性を維持するためには30秒は必要です。柔軟性をさらに高めたいなら1分間くらいかけてじっくり伸ばすことが必要です。当然、このとき息を止めずに自然な呼吸を続けることも忘れずに。

 殆どの人にこの「スタティックストレッチ」が有効ですが、中でも筋肉の発達したスポーツ選手などにとっては物足りないかもしれません。この場合は「PNF」という方法が開発されているので、トレーナーなどに相談して指導してもらうといいでしょう。

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