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 第8回  「筋力トレーニングのメリット」

 今回は筋力トレーニングの話です。筋力トレーニングと聞くとまず、重量挙げやボディビル選手を想像すると思います。もちろんこの選手達は筋力トレーニングをやっています。しかし日本では筋力トレーニングのイメージがまだまだ科学的な感覚ではないようです。

 良く耳にするのが筋力トレーニングをすると背が伸びないとか、身体が硬くなるとか、身体が鈍くなるとか、身体が重くなって動けないと言う事。確かに50年程前には筋力トレーニングはサーカスの「怪力男」のイメージがあったかもしれません。しかし、現在は科学的な研究に基づいて、考え方は180度変わりました。研究の結果によると、筋力トレーニングをやらないよりやったほうが身体が柔らかくなる、やらないよりやったほうが身体の動きが速く、鋭くなると言われています。そしてやってもやらなくても大人であれば骨の成長には影響ありません。

 筋力トレーニングの反応は、瞬発力がつく、持久力がつく、筋持久力がつく、筋肉の量が増えると言う事で、スポーツの競技力向上と怪我の予防に役立つのはもうご承知の通りです。

 さらに一般の方にも筋力トレーニングは大変効果的です。というのは、筋力トレーニングを行なうと関節の安定が得られます。例えば腰部ではこの関節の安定により、腰にかかる負担を軽減するため、腰痛の予防になります。また関節可動域が広まる事で50肩の予防にもなります。反射神経が良くなる事では高齢者の方の転倒防止になります。栄養の吸収も良くなって、新陳代謝が活発になる事で減量にも役立ちます。骨が丈夫になることでは骨粗鬆症の予防や骨折後の回復が良くなります。血液の中の中性脂肪がたまりにくくなり、コレステロール値が下がり、血管が発達し、糖の吸収が高まります。これらによって高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防にもなります。筋力トレーニングは現代人の生活に大いにメリットがあるのです。

 筋力トレーニングを行なうには、自分に合っている強度が大切です。軽すぎては効果がありませんし、重すぎたら怪我をします。トレーニングの基準は、第1に左右の筋力のバランスを取る。第2は拮抗筋(反対に働く筋肉、例えば腹筋と背筋、胸と背中)のバランスを取る。第3は上半身と下半身のバランスを取る事です。そして、現在の体力と目的に合ったプログラムで、定期的にトレーニングを行なう事が大切です。

 今や、ウォーキングブームで幅広い年齢の方が参加しています。僕はこれには大賛成です。でも本当に健康を考えるならば、ウォーキングと適度な筋力トレーニングを実行する事をお勧めします。

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