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 第19回 「栄養補給」

 厚生省による「日本人の栄養所要量」にはビタミンやミネラルの成人男女の所要量もしくは目標摂取量、最少必要量、推奨量、外国やアメリカの推奨量や所要量のどれかが提示されています。数字に対する概念がまちまちであることは少々混乱しやすい点でもあります。又、アメリカの基準では日本とは大きく異なる数字を提示しているものもあります。

 以前「栄養」のテーマの時に、栄養素とバランスについてお話ししました。前回の「運動と代謝」では年令・性別・体重によって消費カロリーが異なることについてお話ししました。では、ビタミンやミネラルの所要量は全員同じで良いのでしょうか?体重の違いはもちろん、日常の生活習慣にも個人差はあります。例えば日常的に肉体労働をする方やアスリートと、デスクワーク中心の方では1日に流す汗の量が違います。大量の汗の中には大量のビタミンや特にミネラル分が一緒に流れ出てしまいます。これを補給してあげないと栄養不足になって、疲れたり、回復力が落ちたりしてしまいます。

 ところが、運動量に対して何mgのビタミンを強化すればいいのか、汗の中に何mgのミネラルが流れてしまったのかを具体的に知るのは中々難しいものです。そこで、まずは栄養バランスのとれた食事を正しく取り、ビタミンやミネラル剤を上手に利用して、不足しないようにしなければなりません。注意する点は、水溶性のビタミンは取り過ぎれば体外に自然に排出されるのに比べ、脂溶性のビタミンを取り過ぎると体内に蓄積されてしまい、内臓に負担をかけることにもなります。又、脂溶性ビタミンを効率良く身体に吸収するには脂質と一緒に摂取しなければなりません。更にどんなビタミンやミネラル剤も食事時に一緒に摂取しないと効果的に身体に吸収されません。

 まれに食事の代わりにビタミン剤を数種類流し込んでいる人を見かけますが、これはあまり効果的ではありません。ちなみにニューヨークの下水(汚水)を分析すると、吸収されなかったビタミン剤が一番多かったと言う話もある程です。

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